消費者が本当に使っているアプリと購買導線の最新事例
はじめに
中国からの訪日観光客は2024年に大幅に回復し、前年比150%超の伸びを示しました。観光庁の統計によると、一人あたりの旅行支出は23万円以上に達し、特に「買い物」と「体験」にかける金額が高いことが特徴です。単なる観光ではなく「消費主導型の旅行」へとシフトし、インバウンド市場はかつてない規模で拡大しています。
この変化を支えるのがSNSによる情報収集です。なかでも小紅書(RED)は、旅行や購買の全ステップに影響を与える存在に進化しました。「旅マエ」では検索、「旅ナカ」では比較・保存、「旅アト」では拡散・再購入。単なる口コミアプリにとどまらず、中国EC市場全体を動かすプラットフォームに成長しているのです。
本記事では、中国ECの構造を整理しながら、REDがなぜ越境EC成功の起点となるのかを具体的に解説します。
中国ECの構造を整理する
保税倉庫型(BtoC越境EC)
- 中国国内の保税区に在庫を置き、購入時に通関処理を行う方式。
- コスメ・サプリ・ベビー用品などで多く利用される。
- 関税優遇があり、一定の価格競争力を持てる反面、倉庫契約や初期投資が必要。
- 安定した物流が可能なため、中規模以上の企業に適している。
直送型(CtoC型に近い)
- 日本から直接発送する方式で、小規模事業者が参入しやすい。
- 在庫を抱えないためリスクは低いが、配送に7日〜10日以上かかることもあり、即時性を求めるユーザには不向き。
- 特に消費期限の短い食品や温度管理が必要な化粧品では不利になりやすい。
- とはいえ「テスト販売」や「新商品の市場調査」には有効な手段である。
一般貿易型(現地法人設立後)
- 中国に法人を設立し、輸入・販売する方式。
- 現地ECモールで国内ブランドと同じ扱いを受けられるため、信頼性が高い。
- NMPA登録や薬事規制対応、広告法遵守などが求められ、コスト・時間のハードルは高い。
- 中長期的に本格参入を考える大手企業が選ぶモデル。
👉 いずれの方式でも共通するのは「消費者が知っているブランドでなければ買われない」という点です。
その最初の認知接点を担うのがREDです。
なぜREDを無視できないのか?

検索エンジンより信頼される
中国ではGoogleが使えないため、消費者はBaiduなどを利用しますが、実際にはBaiduよりもREDを参考にする人が多くなっています。特に「敏感肌 化粧水」「銀座 ジュエリー」といった具体的な検索ワードはREDが主戦場です。広告ではなく生活者の体験が見られる点が支持される理由です。
「口コミ+動画」の決定力
REDでは文章投稿に加え、ショート動画によるレビューが急増しています。使用感や開封レビュー、ビフォーアフター動画は説得力があり、消費者の購買行動を大きく後押しします。
旅ナカ需要と直結
訪日前に「日本で買うものリスト」をREDで作り、旅ナカに実際に店舗を訪れて購入する流れが定着しています。REDで情報を見つけられない商品やブランドは、検討リストにすら入らないリスクがあるのです。
越境ECとの連動性
REDはWeChatや越境ECモールと連携しやすく、投稿からミニプログラム、さらにECサイトへスムーズに移動できる設計が可能です。実際に成功しているブランドは、この導線を自然に組み込み、ユーザに「買いやすい体験」を提供しています。
日本企業が見落とす落とし穴

法規制の壁
- コスメやサプリはNMPA登録が必須。
- 「奇跡」「即効」「No.1」などの表現は禁止されている。
- 違反すると投稿削除やアカウント停止の可能性がある。
物流・決済対応の不足
- SF Expressなどの物流を使わず自社発送に頼ると、遅延や破損リスクが高い。
- AlipayやWeChat Payが使えないと、決済途中での離脱が発生しやすい。
- 中国語による返品対応がないと、信頼を損なう。
投稿が日本人目線のまま
「ナチュラル」「シンプル」といった表現は日本では好印象でも、中国市場では「弱い印象」とされることがある。文化差を理解せずに情報発信を行うと、購買につながりにくい。
Leeソリューションの支援内容
- RED公式アカウント開設・投稿運用
- REDからWeChatミニプログラムへの購買導線設計
- 保税倉庫・直送どちらにも対応した越境物流サポート
- コメント対応やFAQ整備など現地ユーザ対応代行
- KOL/KOCキャスティングを活用した口コミ拡散
成功事例

スキンケアブランドのケース
ある日本のスキンケアブランドは、当初はRED投稿を行っても反応が少なく、売上につながっていませんでした。
そこでLeeソリューションが以下を実施:
- 「敏感肌」「オーガニック」といった検索性の高いタグを設定
- Before/AfterやHOWTO動画を追加
- WeChatミニプログラムへのリンクを明確化
- 保税倉庫を活用して配送体験を改善
その結果、投稿への反応が増加し、問い合わせ数や購買の導線が改善されました。
アパレルブランドのケース
ある日本のアパレルブランドは「旅ナカ需要」を意識し、REDで「旅行中に着たい日本ブランドファッション」として発信しました。
- 投稿に店舗地図や最寄駅からのアクセス情報を掲載
- 店頭でREDフォロー提示による割引や限定ノベルティを提供
- 帰国後もWeChat経由で越境ECから同ブランドの商品を購入できる仕組みを整備
この取り組みにより、訪日客が旅行中に実店舗へ足を運ぶ動きが増え、さらに帰国後も継続的に購入する顧客層が広がっていきました。
まとめ:中国展開を始めるならREDから
中国市場では「存在しないブランドは存在しない」と言われるほど、REDでの露出が重要視されています。越境ECを成功させるためには、REDを起点にWeChatやECサイト、物流・決済をシームレスにつなぐことが欠かせません。
単発の投稿で終わるのではなく、「旅マエ」で認知を獲得し、「旅ナカ」で購買を実現し、「旅アト」でリピートを促す一連の流れを整備することが成果の分かれ目になります。
Leeソリューションは、RED運用から越境EC物流・決済までを一気通貫でサポートし、日本企業が中国市場で確実な成果を得られるよう伴走しています。自社だけでの挑戦に不安がある場合は、専門知識を持つパートナーと組むことが成功への近道です。

